ついに復活!
今井寿と藤井麻輝によるインダストリアル・ユニット(という表現しかしようがありません)であるSCHAFT(シャフト)が再始動というニュース。
ツイッターでこの記事がどこからかリツィートされてきて、それを知りました。
SCHAFTのオフィシャルアカウントです。オフィシャルホームページ、FACEBOOKも本日オープンしました。
チェックよろしくお願いいたします。
http://t.co/0vsbf0avnA https://t.co/LhcD5DfBLW #SCHAFT2016
— SCHAFT (@Schaft2016) 2015, 10月 3
SCHAFTですよ!?
1994年に、BUCK-TICKの今井寿と当時SOFT BALLETの藤井麻輝のユニットとしてアルバムリリースし、ライブまで行いました。
当時はこの辺のバンドに夢中でしたからもちろんアルバムを購入し、その後出たリミックス盤も購入。田舎者だったのでライブは行けませんでしたがライブビデオは購入しました。
当時、音楽雑誌でもかなり特集しており、「GIGS」では表紙巻頭特集で機材や全曲解説など盛りだくさん。さらに「音楽と人」でも大特集していましたね。
当時のバクチクやソフバと比べると、決して大衆的な評価をされたとは言えないそのサウンド。そのあたりを現在という視点で解説した文章がありました。
-SCHAFT再始動の衝撃- 今井寿と藤井麻輝によるユニット・SCHAFT再始動の衝撃ーー名盤『SWITCHBLADE』を改めて振り返る
この記事が素晴らしかったので、以後この記事を引用しながら、音源の動画を交えてSCHAFTを解説していきたいと思います。
Contents
知らないうちにアニメで使われていたシャフト楽曲
シングルカットされるような楽曲もなく、ポップという要素が一切排除されつつ名作として私も認識している、唯一のアルバム「SWITCHBLADE」。
そのアルバムの中のある曲が、後年挿入歌として使われたそうです。
2008年、国内外アニメファンの中で話題になった曲がある。外国人女性ボーカルの優美な歌ながら、ヒトラーの演説をコラージュし、無機質なマシンビートと緊迫感漂う管弦楽アレンジが融合して生みだされる帝国主義的な昂揚感──。アニメ『HELLSING』OVA版の海外用トレーラーとして使用された(のちにOVA第五巻にも挿入歌として収録)、今井寿(BUCK-TICK)と藤井麻輝(minus(-) 、睡蓮、ex.SOFT BALLET)によるユニット、SCHAFTの「Broken English」だ。
2008年ですか…。
私、この話は初めて聞きました。アルバムの中でも比較的聴きやすい曲でありながらも冒頭のヒトラーの演説とパーカッションの無機質なドラムサウンドが印象的な、私も好きな曲です。
(イントロを抜粋しているので演説部分しか聴けませんね…)
どんな形であれ、時代の流れに埋もれることなくこうして再度世にでるというのは、ファンとしても嬉しいものです。
そんなSCHAFTの歴史を振り返ります。
コンピ盤「DANCE 2 NOISE」シリーズ
まずは結成について。
1991年にビクターからリリースされたオムニバスアルバム「DANCE 2 NOISE」シリーズ。バンドブームが終わった直後のシーンで、電子音楽やオルタナティブな要素満載のコンピレーション盤として、001から006までの6枚リリース。
HIDE+INORAN+Jによる「MxAxSxS」やSUGIZO、星野英彦、THE MAD CAPSULE MARKET’S、石野卓球や砂原良徳、町田町蔵、北村昌士、サエキけんぞうといった異色のメンツがレーベルの枠を超えて参加。
こういった時代背景や確固たる方向性があるせいか、目当てのユニット以外の楽曲も結構聴けるものでした。
このシリーズの「001」の最後のトラックに収録されたのが、今井寿+藤井麻輝による実験的ユニット「SCHAFT」による「nicht-titel」でした。
展開されたのは無機質かつ印象的なドラムマシン音にエフェクティブな変態フレーズのギターが融合した、まさに脳内がトロけそうな楽曲。ポップ要素もヴォーカルもなく、とにかく迫り来る不気味な音の塊!
DANCE2NOISEシリーズの中でもインパクト抜群のトラックでした。
唯一のオリジナルアルバム「SWICTHBLADE」
そして1994年、SCHAFTはいよいよ本格始動します。アルバム「SWICTHBLADE」をリリース。
こんな難易度の高い不可解なアルバムを当時のファンがちゃんと理解していたか、正当な評価がされていたかといえば、正直そうとは言い切れない。
(中略)
1993年、BUCK-TICKは『darker than darkness -style 93-』をリリースした。膨大にちりばめられたノイズ、重く歪んだギターが前面に出たサウンドであり、内向的な歌詞のボーカルトラックは極力抑えられ、タイトル通りのダークな作風だった。SOFT BALLETの『MILLION MIRRORS』(1992年)は歌モノ要素を抑え、重厚で綿密に構築された本格的なEBM(エレクトロ・ボディ・ミュージック)やIDM(インテリジェント・ダンス・ミュージック)で、「ファンをふるいにかけた」とも言われた。リリース時に藤井は「ミーハーファンを駆逐する」とまで語っている。両バンドの問題作ともいえるこの2作は、賛否両論こそあったものの、のちに彼らが“孤高”とも言われるようになった転機でもあり、代表作になった。
これを読んで改めて、確かに時代的にはそこのタイミングだということを思い出しました。このあたりのわりとヘビーな作品は、田舎者中学生の私にはあまりにも衝撃的で、しかしとてもかっこよかったです。
そんな時代でも、このシャフトのアルバムは最初、難解すぎて理解できませんでした。「nicht-titel」のような変態フレーズを期待していたのですが、出てきたのはまた違った衝撃。
その後リミックスアルバム「SWITCHREMIX」のリリース、そして渋谷公会堂でライブまで行い、ビデオとして発売されました。このビデオも買いましたね〜。カッコよくて当時何度も見ました。
今井の周りに何本ものスタンドに設置されたギター、そして藤井麻輝もギター中心(ESPの特注ギター)で、映像があるとさらにかっこいいです。
リスナーは手軽に試聴など出来ない時代であり、「CD(音源)を買う」という行為自体に今とは少し違った価値観もあった。どんなに難解で奇妙な音楽でも無我夢中に耳を傾け、気がつけばいつのまにかその世界に没頭してしいる…。彼らの作り出すものは、まさにそういった至高の音楽だった。そこからさらに深く、幅広く、国内外の様々な音楽の世界へと誘われる契機になったリスナーも多かったはずだ。
今みたいにYouTubeで視聴できる時代ではなく、ワンクリックでダウンロードできません。難解で理解できなくてもとにかく聴き込むんですね。音楽環境の変化は、音楽の楽しみ方までも変えてしまったということです。
「スーパーシャフト」構想と、hide追悼で限定復活
今井藤井と、XのHIDEによる「音楽の人」での対談時に出た「一緒に何かやりたいね〜」という「スーパーSCHAFT」構想。しかし結局、叶わぬ話となってしまいました。
そして、HIDEの死後にリリースされたZilchのリミックス盤に、何とSCHAFTが限定復活し参加。「Fucktrack#6」のリミックス
「Superschaftrack [Schaft remix]」を提供します。
リミックスのタイトルがスーパーシャフトの構想を思わせるもので、ニヤリとした人も多いことでしょう。しかもフジマキワールド炸裂のリミックスでした。
藤井麻輝の2つの展望
Zilchのリミックス盤参加のみで、その後音沙汰がなく、そして今回の再始動という知らせ。
そういえば、しばらく音楽から離れていた藤井麻輝がシーンに戻ってきてのインタビューで、興味深いことを言っていました。
藤井:こうして音楽を今年の3月から再開してからは、大きな展望が2つあります。それをやり遂げるまでは、とりあえず息をしていたいですね(笑)。
―2つの展望ですか。それはぜひ教えていただきたいです。
藤井:1つは、睡蓮を次のタームに進めたいということ。それはもう、自分のライフワークとして地味に進めていくしかないですね。もう1つについては、まだ詳しくお話できないんですけど、そっちはもっとアグレッシブなことをやっていこうと思ってます。ただ、これだけは断言しておきますけど、SOFT BALLETの再結成ではありません。
―たしかに、そこは期待しているファンもいるかと思うので、はっきりさせておいた方がよさそうですね。
藤井:はい。そして、その2つの真ん中で遊べる場として、minus(-)があればいいなと今は思ってます。
この2つ目の展望って、最初読んだときはわかりませんでしたが今となってはSCHAFTのことだったようです。
おそらく音源がリリースされた上でのライブになるのでしょう。というわけでリリースも楽しみです。今後の動向に要注目です。
遂に再始動における作品がリリース
・・・と書いたところで、SCHAFTのリリース情報が流れてきました。
これは楽しみです。
SCHAFT、奇跡の本格再始動! 20年以上の刻を経て衝撃の新作、発売。
今井寿(BUCK-TICK)と藤井麻輝(minus(-)、睡蓮)によるインダストリアル・ユニット”SCHAFT”が奇跡の本格再始動! 今井寿、藤井麻輝の主軸メンバーに加え、YOW-ROW (GARI)、上田剛士 (AA=)、yukihiro (L’Arc~en~Ciel)がレコーディングに参加して、1994年以来のSCHAFT新作が実現!
そして、過去作品アーカイブ集が完全限定でリリースされるようです。
こっちも欲しいですね〜
SCHAFT作品の軌跡を最新リマスタリングで完全アーカイヴ!
21年の歳月を越えて蘇るSCHAFTのインダストリアル・ワールド! 世界水準の作品群をディスク4枚組ボックスに一挙収録!1994年のオリジナルアルバム「SWITCHBLADE」作品群を中心に、1991年のSCHAFT始動音源から2016年最新リミックスまでのワークス、さらに1994年ライブの音源ディスクとDVD、豪華ブックレットを含む、SHM-CD×3+DVD=ディスク4枚組の完全限定生産ボックス!
★SHM-CD 1:1994年のオリジナルアルバム「SWITCHBLADE」最新リマスタリング盤!
★SHM-CD 2:1994年のリミックスアルバム「SWITCHREMIX」に加え、1991年のSCHAFT始動音源「nicht-titel」と藤井麻輝による同曲の最新リミックス、1999年にzilchリミックスアルバム「BastardEYES」へ提供した「SUPERSCHAFTRACK」、さらにRaymond Wattsによる最新リミックス「THE HERO IN side」を最新マスタリングで一挙収録!
★SHM-CD 3:1994年9月26日、渋谷公会堂におけるライブ音源を初SHM-CD化!
★DVD~1994年のライブ映像作品「SWITCHBLADE -VISUAL MIX-」を初DVD化! さらに初商品化となる1994年のミュージックビデオ「ARBOR VITATE」をボーナス収録!
★豪華ブックレットつき
★豪華ボックス仕様
2016年1月20日に同時リリース。
二つ合わせて1万円程度。
買っておいた方がよさそうですね・・・
(追記)
復活後の作品も、AppleMusicで定額で聴けるようになりました。
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