マイク・パラディナスによるプロジェクトであるμ-ZIQ(ミュージック、と読む)
自身のレーベル「Planet Mu」で今でも精力的に活動中なのだが、元々はエイフェックスツインをはじめとするコーンウォール一派ということで知った人が多いと思う。
私もそうだったのだが、μ-ZIQを聴いてみようと思ったキッカケを思い出してみると…AphexTwinの名曲「On」のリミックス仕事だった。
オリジナルトラックで特徴的な、メランコリックなピアノのリフと歪んだリズムマシンのコントラスト。これをより引き立たせてくれる上物のシンセやドラムとベースのパターン!! まさに原曲を超えるドラマティックな仕上がりで、私はμ-ZIQに興味を持ったのだった。
で、当時のカタログもよくわからないままCD店に赴き最初に手にしたのが、エイフェックスのレーベル「リフレックス」からリリースされた2枚目のアルバム「BLUFF LIMBO」だった。特に深い理由はなく、その時これしか置いてなかったから、だと思う。
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1994年の作品らしいけど、聴いたのは1998、1999年頃だったと思うのでかなり後追いだったはずだが、最初に聴いた時の衝撃はかなりのものだった。2枚組のこの作品、全編を通してメロディアスなシンセと歪んだグルーヴが貫かれており、かなり刺激的。当時エイフェックス狂いだった私も、リチャード的な面がありつつもリズムパターンや音の作り方がリチャードとは全く異なるマイク・パラディナスという人に興味を持った。
何といってもこの1曲目の「Hector’s House」に、作品の魅力が集約されている。パラレルワールドに迷い込んだかのような密室的且つ開放的(矛盾してるけど)な空間で、歪んだビートがまるで、これから何が起こるんだろうというドキドキする鼓動のように感じる極彩色の音世界。
その後も、BPM早めのダンス的楽曲からメランコリックなトラックまで聴かせてくれるが、一貫してメロディアス。音としては1stアルバム「Tango N’ Vectif」より以前のものらしいけど、やっぱり最初に聴いたこの作品というのは自分の中でも未だに脳裏に焼き付いている。それくらい自分の中では名盤!
リフレックスが倒産した今、中古で漁るしかないのだろうけど、ソニーから日本盤もリリースされたことがあるようで(私は見たことない)割とリーズナブルに流通しているようだ。
ちなみにAppleMusicで聴き放題なのだが、パブリッシャーが「Planet-Mu」になっている。権利をマイクが買い取ったのかも!?
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