【レビュー】SQUAREPUSHER「Hard Normal Daddy」音楽ジャンルを無視したごちゃ混ぜごった煮サウンド

音楽を楽しむのに本来「ジャンル分け」というものは不要なはずだけど、どうしても既存のカテゴリに当てはめてしまいがちである。

そのカテゴリというのがまた曖昧だから、「アレはロックじゃない」みたいな不毛な議論を生み出すし、「このジャンルしか聴かない」みたいなこだわりが逆に幅を狭めてしまう。本来「いいものは良い」なのに!

 

…ということで、スクエアプッシャー2枚目のアルバム「HARD NORMAL DADDY」ですよ‼︎

以前このブログで紹介した「FEED ME WEIRD THINGS」がリフレックスからリリースで、その次に出たこのアルバムはワープからのリリース。

WARPもREPHLEXも当時は日本盤はソニーがライセンスしており、特にこの2ndアルバムはバカ売れしたというのを聞いたことがある。

前作はとにかく一曲目の「SQUAREPUSHER THEME」の衝撃があまりに大きかったけど、前作独特のダークな雰囲気は今作では影を潜め、全体的にポップで開放的な印象。

もちろんいわゆるJPOP的なポップさではない。手数が多くドリルのように唸るリズムと、マシンと手弾きを織り交ぜたベースが緻密に絡み合い、縦横無尽に駆け巡る中にも聴きやすさがある。

 

一番有名なのはこれかな。私も一番よく聴いた「Vic Acid」。

 

 

当時の破竹の勢いと、溢れ出す才能を詰め込んだようなトラック。懐かしいなー。

ドラマチックな展開の「Beep Street」、単純なテクノじゃ括れない、叙情的な雰囲気の中で手弾きベースが絡む「Male Pill Part 13」など、聞きどころは他の曲にもたくさんある。

ジャズ畑出身というトムジェンキンソンの経歴もあり、アシッドジャズとかいろんな言われ方をするけど、言葉には表現できない音。テクノ、ハウス、ジャズ、フュージョンなどさまざまな要素鍋に詰め込み、グチャグチャごった煮にしてお皿に盛ったら、見たこともないような強烈なものすごいのが出てきた、という感じで楽しめる一枚!

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