TVドラマ「赤めだか」感想。立川談志の「教える側の論理」について

12月28日に放送されたドラマ「赤めだか」。
ここ数日はテレビでもすごく宣伝に力を入れていましたね。

数年前に発売された立川談春「赤めだか」の本は、ベストセラーとなり本屋でも平積みされていました。私も気になっていたのですが結局読めていなかったので、このテレビドラマ化は楽しみでした。

談春役は、嵐の二宮君。
ドラマを実際に見て、「二宮君、すごいな」と素直に思いました。談春自身も絶賛していましたが、役者としてすごいですね。断片的にですがいろんな落語を実際に役として演じていましたし、「理不尽な師匠に振り回される弟子」の役がピッタリでした。

私の話になりますが、昔、20年くらい前ですが、それこそビートたけしや高田文夫、景山民夫、上岡龍太郎といった立川談志周辺の本を、古本屋で見つけては買って来て読みまくっていた頃がありました。なので、その頃にいろいろ読んだりしたものの知識が頭の片隅にあったので、

「弟子から上納金を取る」
「ダンカンが談志の弟子をやめてビートたけしの元へ行くエピソード」
「弟弟子の志らくが、築地に行けという師匠の言葉を断った」
「4人同時に二つ目昇進」

といったあたりの話がドラマで出て来たときは、「このエピソードは昔、何かで読んだなあ」と思い出しました。

あと、個人的に興味深かったのが立川志らく。
高田文夫とかのフリートークで出てくるエピソードで「変わった人」という印象は以前からありましたが、決定的だったのはテレビ番組「ビフォーアフター」での談志宅のリフォームの回(談志の死後です)。

談志宅をリフォームしてここに住むのが、志らくであるといいます。
これを見て「変わってるなあ」と思ったのですが、今回のドラマを見るとこの談志宅というのは弟子時代の思い出が全て詰まった空間なんだなというのがヒシヒシと伝わってきました。ドラマでは濱田岳が演じていたのがまた素晴らしかったからというのもあり、主役の談春だけでなく、この志らくという人にも興味が出てきました。

ちなみに・・・
「立川談志」という人のイメージとしていわゆる「狂人」的な部分というのは確かにありますが、経験と理論に裏打ちされた「狂い方」です。理不尽な部分も全て計算し尽くした上でなのか、単純に気まぐれなのか…。

「芸は盗むものだと云うがあれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要なんだ。最初は俺が教えた通り覚えればいい。盗めるようになりゃ一人前だ。時間がかかるんだ。教える方に論理が無いからそういういい加減なことを云うんだ。」

これ、立川談志の言葉です。
ドラマの中にも出て来ました。

ドラマのこのシーンを見た時、朝たまたまネットで読んだこの記事が、パッと頭の中で結びつきました。野村監督のインタビュー記事で、長いですが引用します。

名選手、必ずしも名監督にあらず」。これにもしっかりとした根拠がある。(中略)スター選手はその才能からデータを必要とせず、細かいチームプレーとも関係なくやってきた者が多いため、いざ監督になったら緻密な野球ができない。そればかりか、その必要性や重要性をまるで理解しようとしない。そのため有効な作戦が立てられないし、相手の作戦を読むこともできない。

 そしてもう一つ。スター選手は自分ができたことは、皆もできると思い込んでしまっている。それを言葉に発してしまう。「なんでこんなこともできないんだ!」という言葉が、どれだけの選手を傷つけるか。思ったことは何でもできてしまうから苦労を知らず、そのため並の選手の気持ちや痛みがわからない。自分のレベルで選手を見るためにうまく指導ができず、言葉より感覚を重視してしまいがちなのだ。

 苦労を知らない選手は絶対にいい監督にはなれない。私は2年半ほど二軍にいたことがあるが、これは今となっては良い経験だったと思っている。

 二軍を経験して良かったことは、二度とここ(二軍)には戻りたくないと思えることだ。お客さんがいないところで野球をやる虚しさ、打っても打っても自信のつかない不安。昔の人は「若い時の苦労は買ってでもしろ」といういい言葉を残したが、まさにその通りで、苦労しているかどうかは、その後の人生に大きく生きる。

立川談志という人を「天才」という表現をしますが、「教える方の論理」を持つ部分を考えると努力家であり冷静であり、自身を客観的・俯瞰的に見る天才ということなのだろうなあ、と思いました。いや〜奥が深い人です。




駄文で恐縮ですが、あまりにもドラマが素晴らしかったので自分なりに感想を記してみました。
普段ドラマも映画もほとんど見ないのに・・・

今回のはあくまでドラマなので、元の原作の内容がそのままというわけではないようです。ドラマに反映されなかった部分もあり、また逆に原作に無かった部分もあったはず。

読めてなかった原作「赤めだか」を読んでみたくなりました。

今見ると安価な文庫版も出ているようで、またイマドキらしく電子書籍版(kindle版)もあるのですぐにでも読めますね。

さっそく私も買ってみます。

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