野球賭博が他の博打に比べて特に厳しく処罰される理由!野球賭博におけるハンデとは?

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巨人の選手による野球賭博問題。
関わっていたのが現時点で名前が出てきている二軍の選手だけ、ということは普通は考え辛いので、やはり氷山の一角のように感じてしまいます。有名選手だったり、他球団の選手や関係者まで捜査の手は伸びていく…はずです。

1971年頃に発覚したプロ野球史上類を見ないスキャンダル「黒い霧事件」。野球賭博と八百長に関わった選手達が永久追放という目にあっています。今回の事件も、そこまでの大事になるのか・・・?しかしマスコミはいろんなしがらみや圧力で気を使いながら報道しているような印象を受けます。


賭博は法律で禁じられているのは周知の事実。
みんな当たり前のようにやっている賭け麻雀も立派な犯罪です。
他にもバカラ等の地下カジノが摘発されたという事件もたまに見かけますが、その中でもこの「野球賭博」というのは特に大きな罪のような扱いをされるのを不思議に思う人も多いと思います。

法律だけではなく、野球協約条文にも定められている

なぜ野球賭博が特に厳しいのか?
それは法律でアウトなだけではなく、「野球協約」にも定められているからです。今回の行為が抵触する可能性のある野球協約条文を抜粋してみます。

第177条 (不正行為)
1 選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の不正行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を永久失格処分とし、以後、この組織内のいかなる職務につくことも禁止される。

(1)所属球団のチームの試合において、故意に敗れ、又は敗れることを試み、あるいは勝つための最善の努力を怠る等の敗退行為をすること。
(2)前号の敗退行為を他の者と通謀すること。
(3)試合に勝つために果たした役割、又は果たしたと見做される役割に対する報酬として、他の球団の選手、監督、コーチに金品等を与えること、及び金品等を与えることを申し込むこと。
(4)試合に勝つための役割を果たした者又は果たしたと見做される者が、その役割に対する報酬として金品等を強要し、あるいはこれを受け取ること。
(5)作為的に試合の勝敗を左右する行動をした審判員、又は行動をしたと見做される審判員に対し、その報酬として金品等を与えること、又はこのような申し入れをすること。
(6)所属球団が直接関与する試合について賭をすること。

第180条 (賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止)
1 選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする。

(1)野球賭博常習者と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受し若しくは供与し、要求し、申込み又は約束すること。
(2)所属球団が直接関与しない試合、又は出場しない試合について賭けをすること。
(3)暴力団、あるいは暴力団と関係が認められる団体の構成員又は関係者、その他の反社会的勢力(以下「暴力団員等」という。)と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受又は供与し、要求又は申込み、約束すること。

日本プロフェッショナル野球協約2015

177条が「八百長に関わることへの罰則。180条が「野球賭博に関わることへの罰則」となります。太字にしましたが、野球賭博に関わると1年間の失格処分。八百長に関わると永久追放。八百長は野球賭博と地続きですからより厳しいのです。

今回の問題の焦点として、177条にある「所属球団が直接関与する試合について賭をすること」に該当するかどうかという問題があります。二軍選手なので直接試合の勝ち負けに影響を与えられる立場に無い、という考え方もありますが・・・

ハンデ師による絶妙な采配で、アリ地獄のように抜けられなくなる

高校野球やプロ野球が、裏の世界では賭けの対象とされているということは周知の事実。裏の世界と言っても、案外身近な所で行われているというのが怖い部分でもあります。

野球賭博の大きな特徴として「ハンデ」というものがあります。
これはゴルフにおける「ハンディキャップ」と同じ考え方ですね。ただし、野球賭博の場合は小数点以下まで登場したりして複雑になっています。わかりやすい文章があったので引用します。

 例えばAチームからBチームに1.2のハンデが出たとする(A 1.2→B)。このハンデの数字と、試合の得点差によって動く金額が決まる。

 点差からハンデを引いた結果、1点以上の差がついていれば文句なく勝ちとなるが、1点未満になった場合は、その小数点以下の数字に従って配当金が割り引きして支払われる。

 客がA勝利に10万円を張った場合で考えてみよう。Aが3点差で勝った場合、3-1.2=1.8となり、1点以上の差がつくので客は10万円の丸勝ちになる。Aが2点差で勝った場合は、2-1.2で0.8の勝ち。Aに張った客の勝ちになるが、儲けは賭け金の80%の8万円に減額される。

 同じ理屈で、Aが1点差の勝利なら、1-1.2でマイナス0.2。客は負けになるが、負け金額は20%の2万円で済む。試合が引き分け、または負けなら、全額の10万円を取られてしまうことになる。

(※勝った客はテラ銭=手数料として勝ちの1割、10万円の丸勝ちの場合は1万円が引かれる。つまり3点差以上勝利の場合でも、客の儲けは9万円になる)

 ハンデが小数点以下を持つ数字になっているのは、張り客と胴元が引き分けにならないようにする工夫だ。高校野球では3点、4点というハンデが設定されることもあるが、プロ野球では細かく0.1点単位で出され、2点以下になることが多い。

 X氏によれば「“このハンデなら弱いチームに張っても勝てる”と思わせる絶妙な数字を設定するのがポイント」という。これを決めるのが「ハンデ師」と呼ばれる人物である。

野球賭博を成立させる「ハンデ師」の技 絶妙な数字を設定

小数点以下を設定することで「引き分けを防ぐ」というのは面白いですね、もちろんここでいう「胴元」は、いわゆる裏家業の人たちなのは言うまでもありません。

小数点以下が出るプロ野球に対して、特に得点差が大きくなりがちな高校野球では「伝説のハンデ」なんて話もあるそうです。

奥が深いですね・・・
例えば競馬などのようにオッズ(=倍率」が定められるのとは異なり、勝敗自体をハンデにより操作するので「大穴」「本命」といった概念がありません。このあたりを読んで行くと、野球賭博にのめり込んでしまう背景には、「ハンデ師」の絶妙な采配によるところが大きいのがわかります。

話がそれましたが、野球賭博に関わっている選手や関係者を一掃する事で、一刻も早くこの事件が解決することを祈るばかりです。

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