JASRACの独立禁止法違反判決で、音楽著作権の徴収・支払いの仕組みは改善されるのか?

これってかなりのビッグニュースじゃないでしょうか。JASRAC(日本音楽著作権協会)が独占禁止法違反と言い渡されたとのことです。

こういう協会とか連盟と名のつく「そのジャンルを統括している組織」は、特にスポーツ界において、利権に人が群がり私利私欲に染まり、そのジャンルの発展どころか足を引っ張っているという印象があります。
(大相撲、高校野球、オリンピックなどがいい例です)
そして、気持ち悪いくらいにニュースでも報じられないという…。

同じようなことが音楽業界にも昔からあり、一部では指摘されていましたがテレビなんかでそういう話題すら聞くとこはありません。これも利権ですね。

独占禁止法に抵触したJASRAC

 テレビやラジオで使われる楽曲の著作権管理事業を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の契約方法が独占禁止法違反(私的独占)にあたるかどうかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は28日、独禁法違反ではないとした公正取引委員会の審決を取り消す判決を言い渡した。「他事業者の参入を排除している」とした一審・東京高裁の判断が確定した。

公取委は改めて、JASRACが放送事業者と結んでいる包括契約について、独禁法違反の他要件を満たすかどうか審判をやり直すことになる。

JASRACは、テレビ・ラジオ局が放送事業収入の1.5%を支払えば約300万件の管理楽曲を自由に使える包括契約を採用。放送向け音楽の著作権管理事業をほぼ独占している。

公取委は2009年、独禁法違反にあたるとして排除措置命令を出したが、JASRACの不服申し立てを認め、12年に命令を取り消す審決をした。このため競合する著作権管理会社イーライセンス(東京)が審決を不服として提訴していた。

東京高裁は13年11月の判決で「他の事業者を排除する効果がある」と認めて公取委の審決を取り消し、「公取委は改めて当否を判断すべきだ」と述べた。公取委側は最高裁に上告していた。

引用元/JASRAC音楽著作権契約、「他業者の参入排除」最高裁

このニュースだけでどこまで伝わるのか不明ですが、要するに音楽の著作権を扱っている組織の最大手がJASRAC。というか音楽のほとんどをここが著作権管理しています。これが独占禁止法に抵触するのではないか?という裁判だったわけです。

例えばテレビ曲が音楽を使おうとすると、著作権をクリアしなければならない。厳密に言うと一曲ずつ著作権料を払って使用していくべきですが、そこまでしていられない。

そんな中JASRACは、放送事業収入の1.5%を払えばJASRACが管理する楽曲を自由に使えるという契約を、テレビ局としているわけです。これが問題になっている包括契約というものです。

なぜ問題か?
世の中の音楽のほとんどをJASRACが管理しているわけですから、テレビ局としてはJASRACの管理する曲を使わないわけにはいかないし、包括契約しておけば楽で済む。となるとわざわざJASRAC管理外の楽曲を、別で個別にお金を払ってまで使おうとは思わないでしょう。

ということで、包括契約しているからこそテレビから音楽が流れ、さらに音楽が流れるからみんなJASRACで著作権管理を行う。もはや他の著作権管理団体が入り込む余地がありません。

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JASRACが抱える問題

かつて大槻ケンヂの「自身の作詞した歌詞を著書に引用したら、JASRACから利用料の請求が来たが、印税には反映されていなかった」という件が話題になりました。
(後に本人は都市伝説だと否定していますが真偽は不明)

また、宇多田ヒカルのtwitterでのこのつぶやきも話題になりました。

また、個人経営の喫茶店でBGMで流していた有線放送の音楽に対して著作権料の請求が来たというようなエピソードもいろんなところで聞かれます。これらについても「徴収はするけど印税で反映されていない」「計算がアバウト過ぎる」「結局一番儲かっているのはJASRAC」といった批判は尽きないようです。

爆風スランプのファンキー末吉氏についての特集記事を引用します。

末吉氏は以下の両方の立場な事。
・ミュージシャンで有りJASRACから金を貰える側
・ライブハウス(居酒屋)を経営し間接的にJASRACへ払う側
著作権者が使用料を支払う立場(正確には間接的)に有り、「自分は使用料を払うけれど、今まで1円も貰っていないのはなぜ?」のような感じ。
楽曲使用料を払わないJASRACと裁判で戦うミュージシャン

やっぱり同じような指摘がされてますね。

もちろん、音楽著作権の管理自体は必要です。しかし、徴収したお金が著作権者であるミュージシャンには渡らないというのもおかしな話。

まあ包括契約はテレビ局もグルみたいなものなので報道されないのだとは思いますが、こうした歪んだビジネスモデルと音楽業界の衰退を無関係とは言いきれないような気もします。

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